目次
1・同じ銘柄の豆なのに味が違う?
2・豆の挽き方による味の違い
3・湿度と時間による味の違い
4・サイフォンで淹れると味が・・・
5・胃腸の調子が悪い時でも・・・
6・お勧め記事
① 同じ銘柄の豆なのに味が違う?
その答えは「焙煎技術の違い」によるものです。
焙煎の技術と言うのは
コーヒー豆をただ茶色く焼けば良い
ということではありません。
簡単に言うと
焙煎技術とは「生豆を均一に焼く技術」
ということができます。
見た目の焙煎度が同じなのにも関わらず、
一方は酸味があったり、苦味
が強くなったりするのは、表面は同じ色に
見えても、実際には生豆が均一に焼けてい
ないことが原因です。
・表面だけ焼けていて、豆の芯は生焼けに
なっていたために酸味が残った
・芯だけ焦げてしまったために苦味が強くなった
といった原因が考えられます。
では、豆が均一に焼けていれば
同じ味になるのか?というと
そうとも言い切れません。
焙煎というのは、とても奥が深いもので
「銘柄、焙煎度が同じで
豆も均一に焼けているのに、味が違う」
なんてこともあるんです。
こういうことが、何故起こるのかというと
焙煎中の「生成成分の違い」があるためです。
どの時間帯にどのくらいの熱量を
生豆に与えるかによって、生豆の成分の
生成量が変わってきます。
成分が違うということは
当然味が変わるということです。
ちょっと難しいと思いますので
分かりやすく例えてみましょう。
「最初の10分強火で、のこり10分弱火」
で焙煎したコーヒー豆と
「最初の10分弱火で、のこり10分強火」
で焙煎したコーヒー豆を比較すると
全く同じ焼け具合でも、熱量の与える
タイミングや時間帯で味が変わってしまう
ということです。
焙煎技術によって「同じ銘柄」で
「見た目は同じ焙煎度」でも
大きく味が変わってしまうんですね。
これが焙煎の難しいところであり
反面「味づくり」の最大の醍醐味でもあるわけです。
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② 豆の挽き方による味の違い
コーヒー豆には
「細挽き」
「中挽き」
「粗挽き」
などの挽き方がありますね。
では、コーヒーの味というのは挽き方
によって、どのように変わるのでしょうか?
まず、基本的なことからお話していきましょう。
コーヒー豆のメッシュ(粉の細かさ)に
よる味の変化というのは
かなり大雑把に言ってしまうと
「細かくなるほど、味が濃く」
「粗くなるほど、あっさり」
という風になります。
コーヒー豆が細かくなればなるほど
お湯と触れる粉の総面積が増えますので
その分、コーヒーの成分も抽出されやすく
なる、ということですね。
味が濃くなるのはこのためです。
なので、基本的には
「味を濃くしたいなら、細挽きにする」
「軽めがよいならば粗引きにする」
と言うことができます。
しかし、細挽きの豆をペーパーやネルで
入れる際は注意点があります。
コーヒー豆のメッシュは
細かくなればなるほど、お湯が下に行こう
とするのを妨げますから、コーヒー液が
下のサーバーに落ちるまでに時間が掛かります。
そのため、細挽きの豆は通常の挽きかたより
も「ゆっくりと」お湯を注いであげる
必要があるんです。
ゆっくりと抽出してあげないと濃度が出ません。
なぜか?
注いだお湯は、重力に従ってフィルターに
入れた粉の層を通って下に行こうとします。
ですが、細挽きの場合は、粉が細かいために
抵抗力が強く、中々粉の層に浸透していきません。
ここでスピーディーにお湯を注いでしまうと
お湯は、抵抗力の強い粉の層を通らないで
粉の表層からからドリッパーの縁の方へ流れ
てしまいます。
そして、粉の層を通らずに抵抗力の少ない
ドリッパーとフィルターの隙間を通り
下のサーバーへ流れ落ちてしまうんです。
これでは、濃度が出ませんよね。
「中挽きよりも細挽きの方が薄いコーヒーになった」
というのはコレが理由です。
中挽きで抽出した場合は、細挽きよりも
メッシュが粗いですから多少早めに抽出しても
きちんとお湯が粉の層を通って
下に落ちていたためにしっかりと成分を
抽出できていた、ということです。
濃く抽出したいからといってエスプレッソ用
の極細引きでドリップしようとする方が
いますが、ペーパードリップで極細引きを
抽出するのは無理があります。
エスプレッソというのは、専用のマシンで
気圧を加えることによって、短時間で
一気に豆の成分を抽出する方法です。
短時間で一気に抽出するため、極細引きでも
雑味が抽出される前にコーヒーの良い成分だけ
を抽出することができます。
しかし、ペーパードリップの場合
メッシュが細かすぎるとお湯がなかなか
粉に浸透しないため、抽出時間が長くなり
すぎてしまい、雑味成分などのネガティブな
成分まで出てしまうからです。
濃く出したいからといって
「ただ闇雲に細挽きにしてもダメ」
ということを覚えておいてくださいね。
次に、細挽きの豆を
上手に抽出する目安を説明しましょう。
まず、お湯を注ぐと蒸らしの段階で
モコモコとお饅頭型に膨らんできます。
濃く抽出したい場合は
お湯が縁のほうへ流れないように
この「おまんじゅうの形」をなるべく
維持しながら抽出していきます。
この抽出方法で
4分以内に抽出が終わらない場合は
メッシュが細かすぎです。
粉の挽き加減を調整しましょう。
慣れるまでは少し難しいかもしれませんが
どうしても濃く淹れたい、というかたは
試してみてください。
逆に「あっさり淹れたい」という方は
粗挽きでスピーディーに淹れてみましょう。
③ 湿度と時間による味の違い
コーヒーの抽出のポイントとして
「沸騰した熱湯を注いではいけない」
「抽出時間は長くても4分以内」
と言っていますが
それは何故なのでしょうか?
コーヒーの抽出の目的というのは
簡単に言うと
「おいしい成分を十分に抽出」して
「おいしくない成分は極力抽出しない」
ということです。
実は「おいしい成分」と
「おいしくない成分」というのは
溶け出す温度帯が違います。
おいしい成分
=【低温でも溶け出しやすい。
比較的短時間で溶け出す】
おいしくない成分
=【高温で溶け出しやすい。
低温では溶け出すのに時間がかかる】
大雑把に言うとこんな感じです。
つまり、湯の温度が高すぎると
抽出したくないダメな成分まで
溶け出してしまう、ということです。
また、たとえ低温でも抽出時間が長くなれば
ダメな成分が、溶けだしてしまいます。
つまり、コーヒーの悪い成分を出さないためには
「低温(85~90℃程度)で
悪い成分が溶け出す前に抽出を終える」
ということが大切なんですね。
温度が高すぎたり、抽出時間が長すぎると
「濃いコーヒーが好きだから
ゆっくり抽出したら、おいしくなかった」
とか
「雑味が多くて、苦い」
というようなコーヒーが出来上がってしまいます。
ペーパーで抽出する際は、お湯が7割位入った
ポットからサーバーに一旦お湯を全て注いで
から、ゆっくりとポットにお湯を戻してあげ
ると約85~90度になります。
※ポット内のお湯が少なすぎると温度が
下がりすぎてしまいますので注意です。
抽出時間に関しては
よっぽどゆっくり入れない限りは
4分は超えないのでそれほど心配は要りません。
④ サイフォンで淹れると味が・・・
サイフォンというのはペーパードリップに比べると雑味や
エグみ、苦味などの成分が抽出されやすいです。
これは、サイフォンの抽出方法の特性上
メーカー推奨の淹れ方で抽出した場合
おいしく入れるのには、ある程度の限界があります。
サイフォン式は、沸騰したお湯で
コーヒー液を抽出するため
ペーパードリップと比べて湯温が高くなります。
コーヒーのダメな成分(雑味やえぐみ等)は
湯温が低いと成分が溶け出し難く、高くなる
と溶け出しやすくなるという性質があります。
サイフォン式のように沸騰したお湯の場合
湯温が高いため、抽出したくないダメな成分
まで溶け出てしまうんです。
これが、雑味やエグミの原因です。
また、サイフォンでは一般的に中挽き~粗挽き
の粉を使いますが、家庭用のコーヒーミルで
豆を挽いた場合、どうしても、均一には
豆を挽くことができません。
そのため、大きな粉の粒や微粉といわれる
極小さな粉などが混ざり合った状態になっています。
粉の粒子は細かければ細かいほど成分を抽出
しやすいので、微粉が混ざっていると、
抽出過多で悪い成分まで抽出してしまうんです。
ペーパードリップなどの場合は
それほど気にしなくても大丈夫ですが
サイフォンのような、高温抽出法の場合
この微粉による悪影響は、感じやすいと思います。
⑤ 胃腸の調子が悪い時でも・・・
浅煎り豆 = 色が薄くて味もあっさり
= 胃に負担が掛からない
意外に思われるかもしれませんが
実は、コーヒー豆というのは
「浅煎りの方が胃に負担が掛かります」
原因はカフェインにあって
カフェインというのは、胃液の分泌を
促進する働きがあります。
健康時でしたら、胃液の分泌が促進される
ことで食欲増進や消化の手助けをしてくれ
たりなど、良いことが多いのですが胃潰瘍や
胃炎の方が飲むと、胃酸の分泌過剰によって
症状が返って悪くなってしまう恐れがあります。
一見、色の黒い深煎り豆の方が
多くのカフェインが入っていそうですが
浅煎り豆の方が、ずっと多くのカフェインを
含んでいるんですね。
じゃあ、真っ黒の深煎り豆の方が良いの?
ということになりますが
深煎りの豆の場合は、カフェイン量そのもの
は減るのですが焙煎が進むことによる
コーヒー豆の炭化現象によりカフェインとは
別に炭化成分が胃の負担になります。
ですから、焙煎度としてはハイロースト
(中浅煎り)~シティ(中煎り)位の豆が
カフェイン量が減り、炭化も進んでいません
ので、胃の負担が軽くなるでしょう。
軽い感じが良いのでしたら
ハイロースト~シティロースト位の豆を
抽出後に、お湯で薄めて飲むのが一番胃に
優しく、コーヒーを楽しめるかと思いますよ。
⑥ お勧め記事
コーヒーオタクのお勧め → https://captaingambler.com/deliciouscoffee/
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